在大連領事事務所代表による舞鶴市訪問

令和7年12月9日
11月25日及び26日、日本に一時帰国中の浜田伸子大連事務所所長は、大連市と友好都市関係にある京都府舞鶴市を訪問しました。
 
25日、浜田所長は、舞鶴市の関係者から、天然の良港である京都舞鶴港の優位性、現状及び今後の整備・振興計画について説明を受け、舞鶴国際ふ頭など港湾施設を視察しました。舞鶴港は、日本海側で唯一、国の重要港湾に指定されており、物流拠点としての役割に加えて、クルーズ船の受入れや将来に向けた港湾拡張の取組を行っており、港湾振興を通じて京都府や関西経済圏の発展に寄与することを目指しています。


京都舞鶴港の様子


五老ヶ岳公園から見た舞鶴湾の様子

 同日、浜田所長は、明治時代に開業した老舗旅館「松栄館」を視察しました。当時の建物や展示品を通じて明治時代の歴史と文化に触れるとともに、当時のメニューを再現しているレストランスペースを見学し、映画のロケ地としての活用状況についての説明を受けました。


松栄館の様子

26日、浜田所長は、舞鶴市役所で鴨田秋津・舞鶴市長を表敬訪問するとともに、昼食をはさみつつ意見交換を行いました。鴨田市長は、昨年5月と本年5月に大連市を訪問しており、浜田所長からはそのフォローアップとして最近の日本と大連の多岐にわたる交流についての紹介を行いました。鴨田市長からは、大連市との交流を重視する舞鶴市の取組や今後の友好交流関係の推進、舞鶴市の国際交流の現状と展望などについて紹介がありました。


左から、鴨田秋津・舞鶴市長、浜田所長

その後、浜田所長は、舞鶴赤れんがパーク、舞鶴市立赤れんが博物館、舞鶴引揚記念館及び吉原入江の視察も行いました。
 近代化遺産である舞鶴赤れんがパークでは、舞鶴市と大連市との友好都市関係締結時の状況を含む舞鶴市の歴史を紹介するスペース(舞鶴市政記念館)も参観しました。また、舞鶴市立赤れんが博物館では、同博物館館長から世界各地のれんがの歴史や多くの赤れんが建造物が残る舞鶴の発展の歴史及び赤れんが建造物が持つ魅力について説明を受けました。


舞鶴赤れんがパークの様子


舞鶴市立赤れんが博物館の視察の様子
左から、神村和樹・舞鶴市文化振興課赤れんが博物館館長、浜田所長
 
舞鶴引揚記念館は、第二次世界大戦後、旧ソ連での抑留生活などを経て日本に帰還した引揚者が、船から陸地に降り立ち新たな第一歩を踏み出した場所に設立されました。設立以来、過去の歴史を後世に伝え、平和の尊さを世界に発信する活動を積極的に行っています。収蔵資料のうち、希少性の高い570点は2015年にユネスコの世界記憶遺産に登録されています。浜田所長は同記念館館長の案内により、旧ソ連での抑留生活を経験した人々やその家族の記録と体験などの展示を参観するとともに、660万人以上いたとされる引き揚げ者のうち、約66万人を受け入れた舞鶴が「引揚の町」として果たすべき役割について説明を受けました。


舞鶴引揚記念館の視察の様子
左から、嵯峨根吉宏・舞鶴引揚記念館館長、浜田所長


「折り鶴アート」
2025年、平和への願いを込め、舞鶴の海を飛翔するハトを表現するため、
日本全国から集まった2万5千107羽の折り鶴
(※10月7日の「舞鶴引揚の日」にちなんだ数)で制作したアート作品

西舞鶴には、かつての田辺城の城下町としての風情が今も残っています。町と水路が交わり漁師の住む吉原入江は、本年、日本で公開された映画「国宝」のロケ地にもなりました。浜田所長は吉原地区を徒歩でめぐり、舞鶴市が持つ観光的魅力にも触れました。


吉原入江の様子

 
舞鶴市と大連市は1982年に友好都市を提携して以来、経済、文化、教育、スポーツ、医療など、多彩な分野にわたる活発な交流が行われています。特に青少年交流は、1992年に大連市から少年使節団が初めて舞鶴市を訪問して以後、コロナ禍などを除き隔年で小学生の受入と派遣を交互に実施し、両市を合わせて延べ260人が参加しています。2023年には新たな取組として、舞鶴市から高校生を大連市に派遣し、大連外国語大学日本語学科の学生との交流や中国の文化体験活動が行われ、さらに、本年は6年ぶりに舞鶴市の小学生を大連市へ派遣し、参加者の相互理解が深められました。