日本舞踊家・梅川壱ノ介氏による日本舞踊ワークショップ及びレクチャー&デモンストレーションの実施

令和7年3月25日
3月9日、10日、当事務所は、外務省在外公館文化招聘事業の一環として日本舞踊家・梅川壱ノ介氏を日本から招聘し、大連市民向けに日本舞踊ワークショップ及びレクチャー&デモンストレーションを主催しました。

      
「舞韻東方・和風共舞」のイベントポスター(左)
 「東方国粋」のイベントポスター(右)

 
本イベントは、昨年12月の日中外相会談の際に開催された「第2回日中ハイレベル人的・文化交流対話」に資する日中の人的・文化交流を活発化させるための文化交流イベントになりました。


 日本舞踊家・梅川壱ノ介氏

梅川壱ノ介氏は、東京バレエ団、歌舞伎俳優を経て、2016年に日本舞踊を基本とする舞踊家に転身し、師匠である人間国宝・坂東玉三郎氏の下で踊りから芸道に至るまで、修業の研鑽を積まれています。また、古典作品はもとより、現代アートとの融合作品、オーケストラとの共演、最近では鬼滅の刃やおとぎ話の桃太郎を題材に<絵本と日本舞踊>の融合作品など、様々なコラボレーションを手掛けています。

9日午前は、大連の総合文化施設・三十七相にて、梅川壱ノ介氏と国家一級舞踊家である韓朝強・三十七相舞踊センター民族舞踊講師によるデモンストレーション及び梅川壱ノ介氏による民族舞踊愛好者向けワークショップを実施しました。
 
三十七相は、2022年にオープンし、総合文化施設として、博物館スペース、サロンスペース、舞踊芸術スペースなど多様な設備を備え、質の高い文化活動が行われている会場です。
 
冒頭、米田麻衣次席領事は、今回、梅川氏と韓朝強氏の日中青年舞踊家による舞踊交流が実現することを喜ばしく思うとともに、梅川氏の今般のワークショップを通じて、中国民族愛好者の方々にも日本舞踊と中国舞踊の異同を感じて欲しいという趣旨の挨拶を行いました。
 

米田次席領事による挨拶

    
梅川壱ノ介氏による日本舞踊 宝船(左) 朧月夜(右)


韓朝強・三十七相舞踊中心民族舞踊講師によるモンゴル舞踊「山頂」


梅川壱ノ介氏によるワークショップの様子


民族舞踊の生徒達との記念写真
後列右6人目から:梅川壱ノ介氏
韓朝強・三十七相舞踊中心民族舞踊講師


同9日午後は、三十七相のホールにて、「舞韻東方・和風共舞」と銘打った日中舞踊芸術交流イベントを実施し、大連市民約130名が参加しました。
 
交流会では、梅川壱ノ介氏、韓朝強・三十七相舞踊中心民族舞踊講師、蒋慶喆・三十七相舞踊中心中国古典舞踊講師によるデモンストレーションのほか、梅川壱ノ介氏と楊道立・国家一級映画監督、作家による対談も行われました。


王文勇・大連市文化旅遊局副局長による挨拶


王麗紅・大連三十七相文旅科技産業園董事長

席上、浜田所長は挨拶の中で、本イベントが、昨年12月の日中外相会談の際に開催された「第2回日中ハイレベル人的・文化交流対話」に資する化交流イベントであることを紹介し、今後もこうした質の高い日中文化交流イベントを国際都市・大連で実施していきたいと述べました。また、今回のイベントを、大連市民の方々に日本の伝統文化や舞踊の魅力に関心を持つきっかけとしていただきたい、日本と大連との文化交流が一層促進していくことを祈念する旨述べました。


浜田所長による挨拶


梅川壱ノ介氏による日本舞踊 朧月夜


梅川壱ノ介氏による日本舞踊 宝船


梅川壱ノ介氏による日本舞踊 梅一輪


韓朝強・三十七相舞踊中心民族舞踊講師によるモンゴル舞踊 莫尼山


蒋慶喆・三十七相舞踊中心中国古典舞踊講師による扇舞 青山行


梅川壱ノ介氏(左から2人目)と楊道立・国家一級映画監督、作家(右)
による対談


最前列左3人目から:梅川壱ノ介氏
浜田所長
王文勇・大連市文化旅遊局副局長
楊道立・国家一級映画監督、作家
蒋慶喆・三十七相舞踊中心中国古典舞踊講師

翌10日は、大連城市音楽館にて、大連京劇院との共催で「東方国粋」と銘打った日本歌舞伎舞踊と中国京劇文化の交流会を実施し、大連市民約200名が参加しました。


会場の様子

大連城市音楽館は、東方音楽文化博物館、芸術教育機関、中国及び西洋の楽器店、劇場等から構成される総合的な文化スペースとして2018年に開業し、館内には日系楽器店(YAMAHA)やYAMAHA音楽教室も併設されています。
 
交流会では、梅川壱ノ介氏、楊程・大連京劇院青年演員、楊鵬程・大連京劇院青年演員によるデモンストレーションが行われました。
 
 

王文勇・大連市文化旅遊局副局長による挨拶
 

符鵬・大連京劇院科長による挨拶

米田次席領事は挨拶の中で、日中両国の伝統芸能を担う双方の若手アーティストが交流する今回のイベントは、双方の伝統文化芸術に新たな活力を吹き込む取組であり、今回のイベントを契機に今後の日中文化芸術交流が一層推進されていくことを期待する旨述べました。


米田次席領事による挨拶


梅川壱ノ介氏による日本舞踊 朧月夜


梅川壱ノ介氏による歌舞伎舞踊 保名


楊程・大連京劇院青年演員による京劇 蜈蚣岭(ごこうれい)


楊鵬程・大連京劇院青年演員による京劇 覇王別姫
 

左から:王文勇・大連市文化旅遊局副局長
楊鵬程・大連京劇院青年演員
米田次席領事
梅川壱ノ介氏
楊程・大連京劇院青年演員
曲星君・大連城市音楽館館長
 

今回の梅川壱ノ介氏の大連訪問公演は、いずれの会場においても、大いに観客を魅了しました。参加した文化人・市民からは、「中国舞台芸術の華やかさと対照的に、梅川氏の日本舞踊においては、人間の内面に深く目を向けつつも、緩やかで抑制的な動作で表現が行われる点に、今までに感じたことのない芸術の気品や凄みを感じた」などとのコメントが寄せられました。
 
梅川壱ノ介氏は今回の大連訪問での公演のほか、海外公演や海外文化交流にも積極的に取り組み、2019年には大使館主催において、「ギリシャとの修好120周年記念公演」を現地アテネで、また「フィンランドとの修好100周年記念公演」を現地へルシンキで行っており、これまでにアメリカ、フランス、フィンランド、ギリシャ、ブルガリア、ベトナム、中国、韓国に招へいされています。
2024年にはアメリカ、ロサンゼルスの総領事館公邸における「自衛隊70周年記念レセプション」でのデモンストレーション、日本庭園での公演及び日本文化交流としての大学巡業を行い、海外でも高い評価を受けています。
そのほか、これまでに東京オリンピック、スカイツリー、Mont Blanc、CFCL、トミーヒルフィガー、BEAMS、ジョニーウォーカーなどのタイアップ、キャンペーン、モデルとして起用されており、2024年1月より12年ぶりにリニューアルした日本航空JAL全線で放映されている降機ビデオにも出演し、夕日を背景に日本舞踊を披露するなど、多方面において精力的に活動しています。